市民公開講座

Public Lectures

年に2回、上期と下期にそれぞれ数回ずつ行われる公開講座です。参加は自由、受講料は無料です。

平成30年度 上期市民公開講座概要

概要

■期日
平成30年5月30日(水)~6月27日(水)
■時間
午後6時15分~7時45分 注)開始時間が変更となりましたのでご注意ください。
■会場
日本大学国際関係学部山田顕義ホール(三島駅北口校舎)
■申込方法
上期市民公開講座要項をご参照ください。

講座の日程と内容

統一テーマ ◆近代日本の夜明けと世界 - 明治維新150年◆


1回

5月30日(水)

講師 公益財団法人江川文庫 学芸員 橋本敬之
演題 韮山代官江川英龍の海防と農兵制度の建議

2回

6月6日(水)

講師 日本大学国際関係学部 教授 濵屋雅軌
演題 幕末における日米交流関係の成立

3回

6月13日(水)

講師 日本大学短期大学部 教授 佐藤聡彦
演題 岩倉使節団とその背景

4回

6月20日(水)

講師 日本大学国際関係学部 教授 淺川道夫
演題 明治日本における近代軍隊の創設

5回

6月27日(水)

講師 日本大学国際関係学部 特任教授 吉本隆昭
演題 明治日本の総決算・日露戦争

平成30年度 上期市民公開講座のご案内

長い間鎖国を続けてきた徳川幕府は、黒船来航を機に開港、通商へと政策を転換します。開国はやがて尊王攘夷や討幕運動へとつながり、幕府の体制が次第に弱体化、大政奉還により江戸時代は幕を閉じることとなります。明治の世の中になってもしばらくは混乱が続きますが、欧米諸国から様々な制度や技術、知識などを吸収することにより、日本は近代国家として急速に発展していきます。

今回の講座では、近代日本の夜明けに焦点をあて、幕末から明治維新を経て日露戦争に勝利するまでの間、アジアの小国が諸外国と関係を結び交流していくことで世界の列強に肩を並べるまでに至ったのかを講演いたします。

ご家族、ご友人をお誘いあわせのうえお出かけください。多くの皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

第1回 5月30日(水) 韮山代官江川英龍の海防と農兵制度の建議

橋本敬之

韮山反射炉、台場を築造した韮山代官江川英龍は、海防関係の建議を幕府にすることで、鎖国していた日本が欧米から侵略されることを回避しようとした。下田へイギリス船マリナー号が来航したとき、海防にあたる諸大名がいかに無力かを思い知らされ、農兵制度の建議を行った。直轄地で対応するための直属の軍隊の必要性を説いた。ロシア船ディアナ号の覆没によりヘダ号建造を命じられるが、欧米の進んだ技術をどのように盗み取るかを腐心した。そのため、君沢形・韮山形船の建造へと移行する。ヘダ号を建造することより、技術導入をいかにするかということを考えていた。農兵が発展して日本の近代陸軍の基礎をつくり、ヘダ号建造から君沢形・韮山形船の建造により近代造船の基礎を固めたのである。

第2回 6月6日(水) 幕末における日米交流関係の成立

濵屋雅軌

幕末に日米交流関係が成立した背景には、アヘン戦争情報を得た幕府による薪水給与令と海防強化令の体制の構築があった。また、関係成立の構造として、アメリカの目的と日本の事情があった。さらに成立の過程としては、ビッドル、ペリー、ハリスと幕府の交流があった。前者の二つでは、アメリカの直接の、後者では間接的な脅迫があった。この関係成立を歴史的に位置づけると、日本占領による新たな日米交流関係成立と類似している。

第3回 6月13日(水) 岩倉使節団とその背景

佐藤聡彦

明治3年に西洋諸国の視察に出た新政府の要人たちは、政治と行政のモデルを探すため、諸外国の制度調査とその吸収を試みた。この講演では、場当たり的にも見える使節団の文化受容の様相が、徳川時代より継続した形態であるという仮説を提示し、それを検証しながら、明治改元後も続く混乱の真直中に、なぜ政権を二分してまで行く必要があったのかについて整理する。

第4回 6月20日(水) 明治日本における近代軍隊の創設

淺川道夫

日本における近代国家建設は、明治維新を契機に歩みをはじめることとなるが、発足当初の新政府がまず直面したのは、残存する封建制の克服と、それに伴う国家主権の統合という政治課題であった。同時に、統治組織を成立させる実力的要素としての軍隊についても、国家的な位相での一元化と近代的組織への質的転換が急がれることとなった。
今回の講座では、「武士団から強力な国民的軍隊へと・・・・・急に数世紀も飛び進」んだと評される(ジョルジュ・カステラン『軍隊の歴史』)明治前期の日本軍について、その生成・確立の流れを跡づけたい。

第5回 6月27日(水) 明治日本の総決算・日露戦争

吉本隆昭

開国、明治維新から、近代化と不平等条約改定を目指した明治日本は、日露戦争の勝利によって、その目的を達成して世界の一等国の仲間入りをしたが、国力が10倍のロシア帝国との戦いは周到な準備と戦略によって開戦したものの、一か八かの大博打であり、いくつかの僥倖もあって、かろうじて達成されたものであった。そこで、今回の講座では、その戦いがどのようなものであったか、陸戦を中心に新史料による最新の研究成果と現地での調査も含めて明らかにする。