教授レポート

Instructor Reports

経済は人々の営みであり、
教科書にはない学びがある。

中国が国策として「社会主義市場経済」を導入したのは1978年末のことだ。それから約40年の歳月を経て、中国経済は大きな変貌を成し遂げた。しかし、中国は市場経済への移行がまだ道半ばであり、様々な問題も抱えている。例えば、長年続いてきた「一人っ子政策」により、特に若年層の労働人口が減少していること。もう一つは、急速に進んだ経済成長により、地域間、産業間における経済格差が拡大していること。この二つの問題もまた絡み合っているため、地方から都市部、農業から工業・サービス業への人口の流入を促し、地方での労働人口の減少につながっている。

日中間の経済協力は従来、日本が技術力と資本力、中国が労働力を提供することで相互補完の関係が成立していたが、中国側の提供する労働力にかげりが見えてきたことで、製造業を中心とした日本企業の中国市場への移転は現在、「China + One」、すなわち中国からベトナム、インドネシア、ミャンマーなどの東南アジア・南アジア諸国へシフトしつつある。

ただし、経済とは一人ひとりの人間の日々の営みの集積であり、金融市場や不動産価格の数値の上昇や下落だけで判断できるものではない。担当科目では、中国現地の工場見学や企業活動事例研究などを通じて、教科書には書かれていない地域経済、産業経済の実態を学んでいく。

写真の解説:
北京郊外の街並み。首都であっても、雑然として煙っている。

陳 文挙 准教授

東京都立大学(現・首都大学東京)大学院博士課程修了後、2002年4月より日本大学国際関係学部に在籍。経済政策・応用経済学を専門とし、中国地域経済、産業経済、産業構造の変化とサービス産業の発展などを研究。近年は、東アジア地域のうなぎ資源・うなぎ食文化保護に対して経済学的視点から「うなぎプラネット」に参画。

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このTopicsに関する講義

  • 経済学
  • 国際経済学
  • 国際技術協力論
  • 開発経済論 etc

多様な他者を受容できる
“マインドフル”な人間であれ。

現代はグローバル社会であり、そこでは誰しも否応なしに異文化コミュニケーションの問題に直面せざるを得ない。ただし、外国人相手であれば肌や髪、瞳の色など、目で見てはっきりとした違いがあり、わかりやすいとも言える。これに対して、同じ日本人が相手だとパッと見では違いがわからない分、却って難しい。人は一人ひとりがオンリーワンのユニークな存在だ。同じ言葉を話し、同じ共同体に所属しているにも関わらず、外国人以上に理解し合うことが難しい相手はいくらでもいる。また、「出る杭は打たれる」のが日本人社会の特徴であり、自分たちとの些細な違いを見つけ出しては叩く材料にすることも多い。

“マインドフルネス”とは、近年ストレスマネジメントの分野で注目される概念だが、ここでは多様な存在である他者と協働・共生するために不可欠なコミュニケーション・スキルの一つとなる。これは結果よりもむしろプロセスに焦点を当てたコミュニケーションであり、他者をあるがままに認識し、受容しようとする態度である。これにより、相互に誤解もなく、従ってストレスも生じないコミュニケーションが成立するのである。

写真の解説:
様々な国の仲間をあるがまま受け入れることで、異文化間のコミュニケーションをスムーズに図ることができる。

小川 直人 准教授

日本大学国際関係学部卒業後アメリカに渡り、カリフォルニア州立大学大学院フラトン校で修士課程を、オクラホマ大学大学院で博士課程を修了。その後2008年に帰国し、関西大学・大阪商業大学・福岡国際大学などを経て、2014 年4 月より古巣である日本大学国際関係学部に戻り、教鞭を執る。

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このTopicsに関する講義

  • 異文化コミュニケーション論
  • 国際文化論
  • 比較文化論  etc

語学は、どんなときも
あなたの味方でいてくれる。

日本大学国際関係学部では、90分間の授業時間の中で講義から質疑応答に至るすべてを英語によって履修できる「英語特別クラス」を設置している。新入学生を対象とする英語プレイスメントテストのスコアが上位5%以内であるなどの条件を満たす者のうち、希望者だけが履修することができ、同じ科目でも日本語クラスより難易度は高いが、それだけに学ぶ価値がある。将来、海外への留学を考えている人にとって理想的な環境と言える。

英語で考え、英語で話すとき、皆さんは自分の性格が日本語で話しているときとは少し異なっていることに気づくだろう。相手との距離感も異なり、日本人同士のように“ 空気を読む” のではなく、自分の考えや意見をはっきり口に出して言うことができなければならない。そのとき、あなたが身につけた語学は、きっとあなたの頼もしい味方になってくれるはずだ。

また、日本にいる間は、その存在が当たり前過ぎて意識していなかったことに、海外に出て初めて気づく経験もある。外から見て、日本の良さを再認識することもある。気づきは語学学習へのモチベーションをもたらし、自分自身を成長させるきっかけとなるに違いない。

写真の解説:
仲良しの友人たちと食事を囲んで。英語で考え、英語で話すことで、新たな自己の発見と人間関係を築くことができる。

熊木 秀行 助教

大学卒業後、20代前半で本格的に英語教育の道に進むことを決意し、カナダのトロント大学に留学。その後、中学・高校での英語教師を経て、2012年4月より日本大学国際関係学部で教鞭を執る。2013年4月から英語特別クラスコーディネーターを務める。

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このTopicsに関する講義

  • 英語I~IV、V~VIII
  • 観光英語I~III
  • 世界の言語
  • コミュニティ論 etc

“ファストコミュニケーション”
が自分を見失わせる。

LINEやTwitter、FacebookなどのSNSの隆盛により、コミュニケーションが変質したと言われて久しい。1日数十通ものメッセージをやりとりし、友人と会っている間にもスマートフォンを手放せないという若者も少なくない。

ソーシャルネットワークという用語は本来、face to faceの対話を意味していたが、1998年以降、インターネット上での文章(text)を介したやりとりという意味に変わった。text 言語に多くのプラスがあることは否定しないが、表面的な理解だけを求めて語彙は貧困になり、興味のあることだけに知識が偏ってしまうなどのマイナスもある。ファストフード、ファストファッションなどと同じ意味で“ファストコミュニケーション”に陥っているのだ。

ファストコミュニケーションの場では、人間関係は限りなく希薄になる。顔も知らない第三者からの無視や心無い中傷によって、たやすく自信を喪失したり、本来の自分とは違うSNS 上の別人格を設定したり……。いつしか、自分自身の姿を見失ってしまう。

まず自分自身を知ること。それがコミュニケーションの第一歩となる。

写真の解説:
近年、仲間同士同じ空間にいながらも、会話がなくスマートフォンを操作する光景が増えた。

マリア・デル ヴェッキオ 助教

イギリスでイタリア人の両親の間に生まれ、英・伊のバイリンガルとして育つ。1990年代に来日し、獨協大学・慶應大学・東京理科大学で応用言語学・広告史などの講師を歴任したほか、NHKラジオ講座で英語講座を受け持つ。2015年4月より日本大学国際関係学部に在籍。

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このTopicsに関する講義

  • メディアと社会
  • 英語音声学
  • 社会学概論
  • 交流マネージメント論etc