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伊豆・箱根の懐かしい風景~昭和20~30年代の古写真と巡る~ Android スマホアプリが公開されました

 この度,特定非営利活動法人伊豆地域振興研究所が制作したアンドロイドスマホ用アプリ、「伊豆・箱根の懐かしい風景~昭和20~30年代の古写真と巡る~」が公開される運びとなりました。このアプリは本館が所蔵する上田彦次郎*の写真と現在の写真とを比較でき、撮影場所の近くに行った旅行者は上田の写真と見比べながら、目の前の写真を撮影できるという仕様になっています。
 アンドロイドOS仕様のスマートホンをお持ちの方はお試しください。
 なお,iOS仕様のiPhoneやiPadには対応しておりませんのでご注意ください。

* 上田彦次郎氏(号は春耕(しゅんこう)、1901~1985)は伊豆修善寺の出身。三島の大門堂写真館で写真術を学ぶ。祖父の経営する仲道写真館のあとつぎを望まれたが,見合い写真撮影などに明け暮れる日常にあきたらず,大正9年、19 歳の時に東京に出、芝田村(現在の新橋)にあった絵葉書製造・販売の日新社に入社。全国の観光地を駆け巡って風景絵葉書の注文を取り、売りさばいた。その後、大正15年に独立して、春耕社を興す。
 独立する前の大正末期、熱海の観光業者から新趣向の絵葉書を作ってほしいと依頼を受け、当時の川柳の第一人者・井上剣花坊(けんかぼう)の川柳と谷脇素文(そぶん)の漫画に、上田氏の写真を組み合わせて、川柳絵葉書を製作した。熱海のものと伊豆一般の二種類を作ったが、その独特の温泉情緒が受けて、よく売れたようだ。また、富士山の撮影に一生を捧げた写真家岡田紅陽が昭和15年に創設した富士写真協会等を通じて同氏との交流を持っていた。
 上田氏の製作したものは、観光絵葉書の他に、名所の写真をあしらった栞、観光パンフレット、堀内天嶺(てんれい)画『日蓮物語』、『修禅寺物語』、『唐人お吉一代記』の絵葉書や冊子がある。昭和50年当時も、故郷の修善寺に在って、絵葉書関係の仕事をしていた。
 日本大学国際関係学部図書館で所蔵する約2000 点のガラス乾板は、上田氏が昭和20 年代から30年代、伊豆地域を中心に撮影した絵葉書製作用の風景写真。同氏がパイオニアとして伊豆地域の観光振興に尽くした足跡を見ることができる。

参考資料
 『伊豆新聞』昭和50 年10 月24 日(下田版)
 『伊豆新聞』昭和50 年10 月29 日(下田版)
 『熱海新聞』平成19 年2 月10 日
 『続・絵はがき?伊東百景』平成13年3月31日伊東市立伊東図書館発行P.93-105

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